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第一展示室

青春18きっぷとは?

青春18きっぷのサイトは無数にありますが、そのほとんどが購入方法と利用方法に言及しています。こちらの展示室では博物館らしく、「青春18きっぷ」自体に書いてある文字や記号の内容を、「博物学」と云う観点から理論的(?)に分析しています。

 

 

 

 

上記の写真は、平成16年の春休みシーズンに発売された「青春18きっぷ」です。この赤いきっぷはいわゆる常備券と呼ばれるもので、限られた駅でしか発売されていませんでした。今はマルス券(※1)がほとんどですが、紙質が違うだけで印刷してある内容は変わりありません。
それでは、このきっぷに印刷してある内容を左上から順に検証して行きましょう。

表面

  「西」は、発行された鉄道会社がJR西日本だという事。JR北海道は「北」、JR東日本は「東」、JR東海は「海」、JR四国は「四」、JR九州は「九」で現します。 昔の5枚綴りの「青春18きっぷ」にも、しっかりと左上に「西」と印刷されていました。
ちなみに国鉄時代は「国鉄」となっていました。

  「企画きっぷ」の事です。マルス券では左上に大きく印刷されています。通年発売の乗車券や指定席券と違い、特別な割引きっぷの意味があります。JRや旅行会社では「特企」や「特別企画乗車券」などといわれています。
「青春18きっぷ」以外の「企画きっぷ」には、「フリー乗車券」や「ホリデーパス」や「レール&レンタカー」などがあります。

  文字どおりきっぷの名前です。「青春18きっぷ」は昭和57年3月1日に、初めて誕生しました。当初は「青春18のびのびきっぷ」の名前で、1日券3枚と2日券が1枚のセットでした。翌年から「青春18きっぷ」と名前を変えて1日券4枚と2日券1枚となり、その後1日券5枚の様式になりました。平成8年からは、5枚組だったものが1枚で5回使えるきっぷになり、現在に至っています。

  きっぷの種類として、乗車券、特急券、指定席券などがありますが、その中に「特別企画乗車券」があります。「普通列車乗車券」は、通年発売されている「乗車券」とは違い、「特別企画乗車券」から枝分かれした種類の呼び名です。

  きっぷ毎に付いている番号です。当然一枚一枚番号が違います。4桁という桁数は、「青春18のびのびきっぷ」の時から変わっていません。ただ、平成8年以前は5枚つづりだったので、一番上の表紙に「N 0803」のように4桁の連番が印刷してあり、5枚のきっぷには「N 0803−1」から「N 0803−5」と云うように枝番が追加されています。
国鉄時代にさかのぼると印刷連番は表紙のみで、きっぷには@〜C、Dと右下に印刷されています。細かいところで、「N」の小文字の「o」の下にアンダーラインがひいてありますが、この様式も最初から変わっていません。
マルス券には印刷連番はありません。右上の「525−98」とか「346−68」は、すべてのきっぷに同じ数字が印刷されています。

  このきっぷの値段。すなわち5回(人)分の料金です。1回(人)あたり2300円になります。
最初の「青春18のびのびきっぷ」は、昭和57年の春シーズンで、1日券3枚と2日券1枚の4枚つづりで8000円でした。次の夏シーズンから1日券4枚と2日券1枚の5枚つづりで10000円となり、翌年「青春18きっぷ」と名前を変えますが、昭和58年の春シーズンまで値段はこのままです。翌年、昭和59年の夏シーズンからは2日券がなくなり、1日券だけの5枚つづりで10000円となります。そして昭和61年の冬シーズンから11000円に値上がりして、あとは消費税の関係で、平成元年の夏シーズンから11300円になり、平成9年の夏シーズンから今の11500円になり、最後に平成26年の消費税アップで、11850円での発売になっています。

  「旅客鉄道会社全線」とは、JRグループ6社の全線と云う事です。6社とは、JR北海道(北海道旅客鉄道)、JR東日本(東日本旅客鉄道)、JR東海(東海旅客鉄道)、JR西日本(西日本旅客鉄道)、JR四国(四国旅客鉄道)、JR九州(九州旅客鉄道)で、そのすべての普通列車(快速を含む)が乗り放題ということです。
(特急(新幹線を含む)・急行列車及びJRバスを除くとあります。「青春18きっぷ」は、たとえ追加で特急券や急行券を購入しても乗ることができません。JRバスもだめです。この事は裏面の(ご案内)にも書いてありますので、後ほど詳しく解説します。
通年発売されている「乗車券」は、追加で特急券や急行券を購入するとその列車に乗れますが、「青春18きっぷ」は「特別企画乗車券」なので、特急や急行に乗ると「無効」扱いになります。

  春休みシーズンの販売期間は2月20日から3月31日まで、利用期間は3月1日から4月10日まで。夏休みシーズンの販売期間は7月1日から8月31日まで 、 利用期間は7月20日から9月10日まで。冬休みシーズンの販売期間は12月1日から翌年1月10日まで 、 利用期間は12月10日から翌年1月20日までです。以前は、年によって結構販売期間と利用期間が変わりましたが、最近ではこのパターンが定着しています。驚くなかれ、一番最初の「青春18のびのびきっぷ」では、昭和57年の3月1日から5月31日まで利用が可能でした。
※平成22年冬休みシーズンより、販売期間が12月1日から12月31日まで 、 利用期間は12月10日から翌年1月10日までと変更になりました。

  5回(人)分の日付を入れる所です。使用する毎に左から順番に入れて行きます。マルス券では、日付の欄が2段になっていて、下には右から1回(人)目から3回(人)目が、上にも右から4回(人)目と5回(人)目が入れられるようになっています。M型のマルス券(※2)では日付を入れる所なのが窮屈で、入鋏印(※3)を押しやすいようにこういうレイアウトになったのでしょう。
当日限りの「当日」とは、0時から24時です。

  きっぷの発行日、すなわちきっぷを購入した日です。5枚組の頃は、表紙ときっぷすべてにスタンプで押してありました。マルス券の場合は、機械が自動で印刷してくれます。

  きっぷの発行場所です。このきっぷは米原駅の東口で購入したものです。常備券はスタンプですが、マルス券は自動印刷です。ただ、マルスによって設定が違うのか、表示の方法が発行場所と時代によって違います。例えば津駅(ゆうゆうの所在地)だけをとってみても、「津駅発行」、「津MR1」、「津駅MR発行」、「JT津MR1発行」と様々で、他の駅にはこれとは違うパターンも数多くあります。
「MR」はマルスの事です。面白い事にJTBで発行すると、「JT」と表現するパターンと、○の中に「交」で、日本交通公社の「交」の字が印刷されるパターンがあります。

 

裏面

 

裏面の(ご案内)にはきっぷの表の内容を補足したり、注意事項等が記入されています。

 

1 5回(人)までご利用できます。(複数人数でもご利用できます。なお、複数人数の場合は同一行程となり、入出場の際には必ず本券が必要となります。)

きっぷを使用するときの、有効回数及び有効人数が案内されています。
「青春18きっぷ」は「JRの普通列車が1日乗り放題の5回分のきっぷ 」です。ひとりで5回分使っても構いませんし、二人で2回分を使い、余った1回分を後でひとりが使う方法もあります。もちろん3人でも4人でも5人でも人数分の日付を記入すれば1枚で使うことができます。ただし、複数人数の場合は同一行程でなければなりません。基本的にはひとつの駅に集まって、改札で人数分の日付を押してもらって出発します。
5枚綴りの頃は券片をバラして使えたので、あらかじめ各自に渡しておけばよかったのですが、1枚になってしまったので仕方がありません。それでも工夫次第で余分な運賃を支払わずに利用する事もできますが、その方法は「別館」の「青春18きっぷ攻略ガイド」の「青春18きっぷの基礎知識@」で指南しています。

 

2 普通列車の普通車自由席及び宮島航路がご利用できます。なお、乗車船日が翌日にまたがる場合は、0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。

乗車できる列車の種別(※4)と、「1日乗り放題」の1日の定義が案内されています。
JRの列車の種別には、新幹線と在来線があります。また在来線には、特急列車、急行列車、快速列車、普通列車と分かれています。 「青春18きっぷ」で乗ることのできる列車は、在来線の快速列車と普通列車です。きっぷには快速列車の事はひとことも書いてありませんが、普通列車と同じ扱いなので大丈夫です。 また、宮島航路はJRが運営しているので、これも「青春18きっぷ」で乗ることができます。
「1日乗り放題」の1日は、0時から24時までです。 ただし、翌日の0時を過ぎて最初に停車する駅までは有効です。続けて乗車する場合は、最初に停車する駅から到着駅までの運賃を払うか、もう1回分「青春18きっぷ」を使用します。

案内には書いてありませんが、電車特定区間(※5)では、翌日の0時を過ぎても終電までは有効です。この区間では1時過ぎまで列車が動いていますので、電車特定区間内なら終電まで何回でも乗り降り自由です。終電までが今日一日と云う考えでしょうか?
この規定は、時刻表にのみ表示されています。なぜきっぷには表示されていないかと云うと・・・・ゆうゆうは知りません!ただ、ゆうゆうが推理するにはこうです。
電車特定区間とは、元々は昭和59年(1984年)4月の営業規則改訂で設定された国電区間の事です。設定後、国鉄は2年前から発売していた青春18きっぷに、国電区間なら終電まで有効という規定を設けました。 その決めた時期が問題なのだと思います。新しい規定を開示するのに、青春18きっぷが既に印刷されていて、次回の時刻表からの表示になったのではないでしょうか?その後、次のシーズンの発売までにきっぷの案内の訂正を忘れていて、今度直そうと思いつつ今日に至っているのではないでしょうか?
今後、規定が施行された時期と、時刻表に表記された時期を調べて、推理の裏づけをしたいと思います。

 

3 特急(新幹線を含む)・急行列車、グリーン車、寝台車に乗車する場合は特急急行券又はグリーン券、寝台券のほか普通乗車券を別にお求めください。

特急列車など、乗車する事のできない列車についての注意事項を案内しています。
普通の乗車券は、特急券を追加で購入すれば特急列車に乗ることができますが、「青春18きっぷ」では、たとえ追加で特急券や急行券を追加で購入しても乗ることができません。つまり全くの無効扱いになります。
新幹線と特急と急行は、普通車の自由席であろうと乗れません。快速列車と普通列車でも、グリーン車の指定席と寝台車は、同じように「青春18きっぷ」が無効扱いになります。
快速列車と普通列車の指定席は、「青春18きっぷ」に追加で指定席券を購入すれば乗ることができます。

※平成16年の冬休みシーズンから、グリーン車自由席はグリーン車自由席券を追加で購入すれば乗れるようになりました。

 

4 津軽海峡線木古内〜蟹田間、石勝線新得〜新夕張間は普通列車が運行していないため特例として当該区間内相互発着の場合に限り、青春18きっぷのみで特急列車の普通車自由席に乗車できます。ただし特例区間にまたがって乗車する場合は、乗車全区間の乗車券および特急券が必要となります。

特例として、特急列車に乗車できる場合を案内しています。
津軽海峡線の木古内〜蟹田間と、石勝線の新得〜新夕張間は普通列車が運行していないので、 「青春18きっぷ」で乗ることができます。よって、木古内〜知内〜吉岡海底〜竜飛海底〜津軽今別〜中小国〜蟹田間と、新得〜トマム〜占冠〜新夕張間は「青春18きっぷ」が使えます。
特例区間にまたがって乗車する場合は 「青春18きっぷ」は無効になります。例えば、帯広から新得と新夕張を通って南千歳に行く場合。帯広から新得、また、新夕張から南千歳間は、特急列車に乗ってはダメです。特例を利用するには、帯広から新得までは普通列車で行って、新得〜新夕張間を特急列車に乗り、新夕張から南千歳間は再び普通列車で行く必要があります。

※北海道新幹線が開通して、在来線(海峡線)の定期旅客列車が全廃となったので、「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を購入する事により、北海道新幹線の 奥津軽いまべつ駅―木古内駅間で普通車の空席、および道南いさりび鉄道線木古内駅 ―五稜郭駅間の普通列車がオプション券1枚につき片道1回利用可能になりました。

 

5 普通列車の普通車に乗車する場合で、座席指定席券・乗車整理券又はライナー券の必要な場合は、別に座席指定券・乗車整理券又はライナー券をお求めください。
グリーン車自由席にご乗車の場合は、別にグリーン券をお求めください。
グリーン車指定席にご乗車の場合は、 グリーン券のほか普通乗車券を別にお求めください。

「青春18きっぷ」で普通列車の指定席やグリーン車を利用するための案内をしています。
普通列車(快速も含む)の普通車で、指定席に乗りたい場合は、座席指定席券を追加で購入すれば、別に乗車券を購入しなくても構いません。「青春18きっぷ」と座席指定席券で乗ることができます。
同じようにホームライナーなど、乗車券と乗車整理券又はライナー券で乗れる列車は、「青春18きっぷ」に、乗車整理券又はライナー券を追加で購入すれば乗ることができます。
昭和57年の発売当時から平成16年の夏休みシーズンまで、グリーン車には「青春18きっぷ」は一切利用できませんでしたが、平成16年の冬休みシーズンから、普通列車(快速も含む)のグリーン車自由席に限って、グリーン車自由席券を追加で購入すれば乗れるようになりました。

 

6 旅客鉄道会社線(JR線)以外の会社線を経由する列車にご乗車の場合は、別にその会社に必要な乗車券類をお求めください。

JR以外の区間を乗車する時の注意事項を案内しています。
列車がJR線以外の私鉄や第三セクターを通る場合には、別に運賃を支払わなければなりません。私鉄は当然ですが、今までJRだったのが第三セクターになったために「青春18きっぷ」で乗れなくなるのは残念です。

※このコメントを付け加えた平成30年では、各新幹線の延伸で、並行していた在来線が第三セクターになる傾向にあり、「青春18きっぷ」では乗れない区間が増えてきました。しかし、普通列車に乗車してJR線に通過利用するだけなら「青春18きっぷ」が利用できたり、肥薩おれんじ鉄道の様に「当日有効の青春18きっぷ」を提示すると。割安な「おれんじ18フリーきっぷ」を購入できたりします。

 

7 乗車船日が記入されていないものは使用できません。なお、駅員無配置駅からご乗車の場合は、車掌から乗車船日の記入を受けてください。

入鋏印(※3)の事について案内しています。
当然ですが、「1日乗り放題のきっぷ」ですので乗車船日は重要です。必ず駅員さんか車掌さんに、なるべく早く入鋏印をもらってください。気をつけたいのは、日付と人数です。特に複数で何日か旅行する時は、よく確かめて入鋏印をもらってください。間違って昨日の日付になっていても知りませんヨ?!

 

8 5回(人)分未使用の場合、平成16年9月10日までに限り発売箇所で払いもどしの取扱いをいたします。

払いもどしの取扱いについて案内しています。
未使用の場合のみ払いもどしができます。その場合、所定の手数料(平成17年現在で210円)がかかります。常備券でもマルス券でも同じです。
1回でも使用したら、払い戻しは不可です。 ゆうゆうは、余りそうになったら青春18きっぷ掲示板で転売しています。
発売箇所とは文字通り購入した所ですが、みどりの窓口なら手続きをしてもらえます。ただし、正規の所でなければ断られる場合があります。

 

9 列車の運行不能等による払いもどしはいたしません。

運行不能等の規定を案内しています。
列車の遅れや不通区間が発生しても、払いもどしは一切しません。列車が遅れて、次の列車に乗るために特急に乗りたくても「青春18きっぷ」だけで乗せてくれるような救済措置は、まずしてくれません。トラブルの時は、自己の努力で解決するように心がけましょう。
代行バスには「青春18きっぷ」だけで乗る事ができますが、遅れによる救済措置はないと考えた方がいいでしょう。

 

注釈

(※1)マルス券―マルスとは、指定券を発行するためのオンライン・システムの事で、マルス券はその自動発券機で作ったきっぷです。昭和39年に「マルス101」として誕生しました。正式には「特殊指定共通券」といいます。

(※2)M型のマルス券―「マルス301」の事。本来は指定券を発行するためのものでしたが、今では国鉄全線全区間の乗車券・指定券類・入場券・各種企画切符・イベント券・定期券も発券できるようになりました。最近のみどりの窓口で発行される「青春18きっぷ」はほとんどM型のマルス券です。

(※3)入鋏印―昔はきっぷにはさみを入れましたが、今は丸い日付の入ったスタンプを押します。最近は少なくなりましたが、日付の下には「入鋏済」となっていました。

(※4)種別―特急、急行、快速、各駅停車など列車の運行スタイルはさまざまです。こうした列車の種類による区分けを列車種別といいます。

(※5)電車特定区間―JRの旅客営業規則第78条に規定する区間です。東京附近及び大阪附近の幹線区間のうち利用者が特に多い線区・区間について、この区間内の駅を相互発着する場合、普通旅客運賃の計算において幹線区間よりも割安な対キロ賃率を適用するものと規定されてます。
わかりやすく言うと、時刻表のピンクページの「普通運賃の計算〜東京・大阪の電車特定区間の普通運賃表」欄に示されている区間です。



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